仙台高等裁判所秋田支部 昭和24年(を)123号 判決 1950年3月01日
被告人
佐々木信
主文
原判決を破棄する。
本件を秋田地方裁判所橫手支部に差し戻す。
理由
弁護人佐藤欽一の控訴趣意について
次に原判決の未決勾留日数の算入について案ずるに原判決によれば主文第一、二項において被告人を懲役十月及び罰金千円に処する但し未決勾留日数中三十日を右本刑に算入するとあり又この点に関する法令の適用においても被告人を懲役十月及び罰金千円に処するが刑法第二十一條により未決勾留日数中三十日を右本刑に算入すべきものとするとあることが明らかであり原審は右未決勾留日数を懲役刑のみでなく罰金刑にも算入したものといわなければならない、未決勾留の一日を罰金額の幾何に折算して算入するかを明示していないからとの理由で懲役刑にのみ算入する趣旨と解することはできなく、又この点について刑事訴訟法第四百九十五條第三項が準用あるものということができないから前記主文第二項の未決勾留日数の算入の判示はその執行において支障を來すことのあるべきことが明らかであり違法といわなければならない。